信じれば救われますか『完全教祖マニュアル』


「教祖」を目指している貴方は、読んでおくべき。
まず確実に押さえておきたい点↓
“宗教の本質というのは、むしろ反社会性にこそあるのです”
所属する社会の価値基準によって、不幸になる人たちがいる。
彼らを幸せにするために「反社会的に」成立する新興宗教。

ところが、その宗教で成立した価値基準によって、なんとまた不幸になる人たちが発生し、また別の新興宗教が生まれ……その繰り返しで不幸は形を変えて続いてしまう……
“その時、あなたの後継者たちは……(中略) まぁ、(その時には死亡しているだろう教祖の)あなたには関係ないことなのでどうでもいいですよね
おい笑

本の中で宗教界の偉人たちが、親近感を持って近づいてきます……
“釈迦が瞑想中に受けた悪魔の誘惑の中には、「おまえ、家帰って王位継げよ。お父さん心配してるよ?」というものまでありました。悪魔の誘惑というか、単に実家からの手紙のような気もしますが
“あのスーパースター、イエスでさえも、「新興宗教をやってたらお母さんに心配される」という親近感溢れる体験をしているのです”
仏教に関しても「いやはやこの筆致は笑わざるを得ませんわ」
“(浄土宗・)浄土真宗がいかにハードコアなのかは、信者の心理を推測しながら唱えてみると分かります。
「なむあみだぶつー」。救われた気がしましたか?
でも、これだけで「そういう気分になれ」と言っているのが浄土真宗、極めてハードコアなのです”
“中でも最も激しく浄土宗を叩いたのが日蓮でした。
「南無阿弥陀仏だけ!? そんなの仏教じゃねぇよ! …………が、それはそれとして、一般人は南無妙法蓮華経だけ唱えとけばいいよね」”
“悟りとは、手からビームも出ないし空も飛べない、どうやら超能力ではないようです。「そんな悟りでも良いから一応ひらいときたい」
“臨済宗中興の祖であり白隠は、師匠にボコスカ殴られて崖から突き落とされ、さらに托鉢中にババアに箒で尻を叩かれた瞬間に悟っています”
その他、ツボに入った部分……
“教団運営に余裕が出てきたら、次に宗教建築です。東京ディズニーランドをイメージして造ってください”
“ある新興宗教でも、アンチページには「息子が明るく社交的で親孝行をするようになった!」という「被害者の声」が載せられていました”
“どこの世界にも厳しい人はいるもので、超正統派のユダヤ人たちは安息日に働く救急車に石を投げると言います。筆者にはよく分からないのですが、投石は労働とはみなされないのでしょうか
最初から最後まで「本気のネタ本」ではありますが笑
下記箇所には、首肯、首肯。ここが、筆者たちの本音でもあるような気がしました。
“「たまには分からんこともある」。私たちが「全部分かるはず」と思ってしまうのは、科学に対する信仰ではないかと筆者は考えています”
ニヤニヤ笑いがこみ上げる読みやすい筆致に、「教祖(になりたい人)の視点」からの宗教考察!という斬新な切り口。

宗教の成り立ち・宗教比較の入門としてもオススメです。

しかしこの本を借りた某所では、本気で「マニュアル」として読んでいそうな気配にドキドキとしつつ……ドキドキ…… いや、でもある意味、本当にマニュアルとしても役立つとも
言えるのかもしれないけれど……

“本書を信じるのです。本書を信じなさい。本書を信じれば救われます―――――――――”


ちなみに、得られた実用的(?)な豆知識:
・「血統なんか気にスンニ、血統を気にシーア」という覚え方w。
・本来は、数珠もロザリオも、お祈りの回数を数えるためのもの
・セックス等の欲を肯定している真言密教「理趣経」(自性清浄)。
 http://junrei.yonosan.com/modules/mania/details.php?bid=16
・著者サイト:架神恭介ワークス

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