12話13話以降は、ポロポロポロポロ。よく分からないが毎話、涙がこみ上げていた。ついに最終回を迎えてしまった。
キャラが世界の中でクッキリ詳細に描かれ、演出やBGMがうますぎで本能がゆさぶられ、何より毎回、怒濤のストーリー展開――そしてペンギンが可愛い。物まね流行る。とにかくすさまじいアニメでした。
第1話を見た瞬間「これ最高!! だけど、変人向けだわ」と思いましたが、そんなもんじゃなかった。
「あぁ、だから私はセーラームーンにハマったのかも(幾原監督)」と、改めて想わされる作品でした。アニメを好きで良かった。
輪るピングドラム。
見ていない人には「激薦め」します。
何より私は宮沢賢治も大好きだ。(アニメ『銀河鉄道の夜』も大好きだ)
※概念や台詞が引用されています。
少しずつダークさを帯びていく物語。今まで見えていた関係の崩壊、心をえぐるような展開が繰り返される。
一番好きなシーンは、美しい棺。好きなものはリピート体質で20回以上視聴。
「目に見える美しさには必ず影がある」
吹っ切れた真砂子の描写「すりつぶさなきゃ」美しすぎる。背筋がしびれる。
最終回は「あれ、ちょっと置いてけぼり」「もっと劇的に盛り上がると思っていた」と少し残念な思いもありましたが(苹果の呪文や晶馬の愛が唐突)
とてもキレイに(どちらかというと性善的に)まとまっており満足、といいますか、まっ結局、最終回も涙ポロポロでした(笑)
輪るピングドラム、自分なりの拙い考察を書き留めておきます。「こういうことかな、どうだったのかな...」というものも含めて。ネタバレも含むでしょう。
◆KIGAの会および眞悧@サネトシが本当にしようとしていたことは
世界/運命に関わるすべての吹き飛ばし。
列車を破壊する=運命の列車を破壊する。(サネトシが暗い線路@運命の至る場所で「また次の列車が来るよ」と待つもの)
実在の列車ではなく、概念的な列車。
◆晶馬と冠葉が入っていた箱は
実在の箱ではなく、「人生」という箱。サネトシが23話で語っていた「箱」。ショウマも当初は死にかけの人生だった。(本来は死ぬはずだった)
カンバがリンゴを分け与えたことにより、カンバは半分不幸に(親に疎まれ兄弟バラバラ)ショウマは生まれることが出来た。
=ここで1回目の運命改変が起こった。
◆ショウマが苹果@リンゴに「(桃果の死は)僕らが生まれたせいだ」と言ったのは
上記1回目の改変を知っているから。
ショウマが生まれ、カンバと出会い生き延びたことにより「何故か」両親はKIGAの会(ピングフォース)へのコミットを高める。(「何故か」=メリーさんの羊)
◆「メリーさんの羊」の例え話は?
例え話の要約:枯れたリンゴの木を復活させるため、黒ウサギの助言に唆されたメリーさんが「女神の炎」に触れ、メリーさんではなくメリーさんの子羊たちが罰を受ける。
運命のリンゴ(神が決めたもの=「女神の炎」)を分け与え合ったショウマとカンバ。2人には罪が生じた。その罪による不条理な罰が、高倉/夏目の親がKIGA入会など。
ショウマはヒマリにリンゴを分け与えた。陽毬@ヒマリも生き残ったが、罰を受ける。
◆それぞれの運命の人とは??
運命の人なんてない。自分で見つけること。
「カンバはショウマにリンゴを分け与えた」「ショウマはヒマリにリンゴを分け与えた」「モモカはユリに新しい運命を与えた」「モモカはタブキに生きる意味を与えた」……これらはあくまで渡した=もらっただけであり、生きるための最低条件であって愛とは微妙に違う。
「もらった相手が運命の人」ではないのだろう。「もらった相手に愛を返そう」では単なる応酬。愛は、自分で見つけ、自分から渡すこと。(それにより応酬ではなく【輪る】)
「俺は手に入れたよ 本当の光を」
◆リンゴが運命の乗り換えに成功したのは
と書いて、違うわ! ハタ、と気づく。
モモカは半分まで乗り換えに成功した。
サネトシに止められた残りの半分は、「日記に書いた呪文を後継者のリンゴが唱える」ことで完了するようにしていた可能性が高いかも。
モモカ亡くなった日にリンゴ誕生、日記に執着。そして、モモカ=2つのプリクリ帽子は、どちらも最初からリンゴを探していた。
◆プリクリがマリオとヒマリに憑いたのは
マリオとヒマリは、どちらも「半分、乗り換え損なった代償(モモカ呪文)」が薄命として強く現れている存在であり、乗り換え完了によって2人ともに助かる。だから、そこに出現した。(...あれ? それじゃカンバの活躍が不要に感じてアレですが...)(ヒマリには乗り換えするだけの体力がなくカンバが代わりに運んで消滅...案もあります)
◆サネトシはヒマリを助ける気あったの?
モモカ=運命は変えられる。リンゴに日記を託し、兄弟にリンゴを探させた。
サネトシ=運命は変えられないので壊せ。日記を燃やそう等の工作はするが、今回は
基本的にどうなるか結末を見守っている。
もし運命改変(サソリの炎)が起きなかったら、勝利宣言して列車ごと爆破したのではないかな。(黒いテディが配置されていた)
◆サネトシとモモカはどうなるのか??
サネトシはモモカに出会った瞬間から、気持ちが少し変わっていたのだと思う。
『運命』っていう概念が人の世界に存在するのか、そのルールが人の生涯を支配しているかどうか、確認したいんだ。君にもそれを確認して欲しいんだ。僕と一緒に。そう、二人でピングドラムを探すのさ。そいつが本当に存在するかどうか。ただ、サネトシはモモカに素直に渡せなかった。愛を。(キザに「僕の恋人」とは呼んだが)消えてゆくカンバにさえ「幸せになれない」と言葉を投げ、負けを認められないサネトシ。
【運命は変えられるということ】
ついに、モモカは運命の至る場所から旅立つ。モモカは輪る世界に戻るのだろう。サネトシは氷の世界のまま、輪らない世界。
◆赤いクツの女の子を突き落としたのは
「リンゴ」で良いのだろうか……(日記に判子押した=「完了☆」??)(その前に女の子は偶然カンバとKIGAを見たのか)
これは怖い事件の始まり、経緯を知りたかった。一歩間違ったら女の子死んでるし。KIGAの会が手を下した可能性もあるが……。
◆高倉両親が死亡していたのは
高倉両親(剣山+千江美)ということは、KIGAの会が殺したということか、もしくは自殺を隠蔽していたのだろうか??(あの場所を知っているのはKIGAとカンバ)(真砂子がカンバに対して「父のように使い捨てられる」と止めていた=殺しも有?)
◆カンバとショウマが向かう場所は
第一話で小学生たちが話していた「カンパネルラや他の乗客が向かうところ」=つまり、死の世界。
「2人が幼くも生きていたー!」は早計で、彼らは乗り換えが無事済んだことを見守って、死の世界(輝く南十字の天上)に向かうのでしょう。
※カンパネルラは行かなかったけどな(過ぎて石炭袋)
※ジョバンニはまだ行けなかったけどな
「奴らは人に与えようとはせず、いつも求めることばかり考えている」
「選ばれないことは死ぬことなの」
「生きるってことは罰なんだね」
「キスは無限じゃないんだよ。消費されるんだよ」
そう言って自分から動かなかったヒマリが 最後にカンバにキスをしたんだ。
追伸:最後の会話
「ねぇ僕たちどこへ行く?」
「どこへ行きたい?」
まさにジョバンニとカンパネルラ。
「どこに行こうか」
「どこまで行くんだろうか」
常に聞き合う2人の姿。
「ジョバンニ! あんたは聞いてばっかりかよ!」
と読んでいたこともあったけれど、
・カンバネルラ=冠葉=身を削れる人
・ジョバンニ=晶馬=迷う人
でも、人生の行く先は分からない。だからこそ愛しい。