良かった。本当良かった。
子どもたちにも見せたい素晴らしい映画。
淡々とした映画なのに、涙腺が緩みました。
1.思考を放棄しないこと。
思考=人間であることを放棄した瞬間、「ただ周囲の空気に流されて動くのみ」という、平凡だからこその世界最大の悪、全体主義の先に行き着いた世界最大の悪、アーレントがナチス・アイヒマンに関連して言及した「悪の凡庸さ」に陥ることになる。
「むしろ、それが自分や周囲の義務である」
2.周囲と異なる考えを持ったとしてもそれを放棄しないこと。
アイヒマン裁判のレポートを掲載したアーレントも結局、同胞ユダヤ人たちから非難を浴び交流を絶たれたりしてしまう。だが、その事態を想定して、その事態を避けるために本心から書いたレポートを出さなかったとしたら、やはりそれは思考の放棄であり、アーレントはそもそも出さないなんてこと考えてなかっただろう。
3.自分と異なる考えが出てきても「断固拒否」「否定」するのではなく、受け入れ吟味する心を持つこと。
このことを、自分でも徹底すると共に、周囲や未来の子どもたちにも伝えることがこれまでの悲しい歴史「悪の凡庸さ」を繰り返さない秘訣かもしれない。(そしてレポートを掲載したアーレント的な勇気を、潰さないような世界の形成を……)
(理解ある夫ハインリヒ・ブリュッヒャーと親身な友人メアリー・マッカーシーの存在はきっとすごく大事なポイントだ)
思考を続けることで人間は強くなる。
会場は満員、当日券も昼頃とっくに完売。
「思考ができなくなると、平凡な人間が平凡だからこそ、残虐行為に走る」
すぐに答えが見つからない問題でも、とにかく思考を諦めないこと。思考を続けることで人間は強くなる。
会場は満員、当日券も昼頃とっくに完売。
平日昼で年配の方が多めながら、雑誌社のシーン「トルストイなら書き上げてるわ」等々でどっと笑いが起こったり何だか良い空気(知的層か)。
映画の途中途中にハイデガーが出てくるのも「そうだよね、きっと実際ハンナ・アーレントもこれぐらい思い返していたよね」と感じたり。
映画の途中途中にハイデガーが出てくるのも「そうだよね、きっと実際ハンナ・アーレントもこれぐらい思い返していたよね」と感じたり。
人生の移り変わりというか、哀愁と進歩というか……を感じられたのも胸にぐっと残っている。
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