実在するテロリスト・コードネーム「カルロス」の
半生を描いた映画「カルロス」。
現在も裁判と調査が続行中で、事件や背景は真実だが
仲間とのやり取りや関係は脚色ありとのこと。
全三部でトータル5時間超え。
ですが、とても美しく仕上がっており
(まず各俳優の演技=所作が素晴らしい!)
(武器等も含め、小物や衣装も、街並も)
(時折はさまれる当時のニュース映像も)
あっという間に5時間が過ぎることでしょう。
ハダドからPFLP追放を命じられるカルロスのシーンは
自分的にも色々な想いが巡り、とても印象に残っている
カルロス「僕が必要だろ?」
ハダド「famous playerは要らない」
カルロス「ボニとアントンの作戦は失敗する」
ハダド「そうだな。
彼らは君よりも能力が劣る」
カルロス「…………僕が必要だろ?」
ハダド「だが、彼らは従順だ」
組織を離れ独立し 気づけばハダドと同じような
「俺の言うことだけ聞け!」
そんなリーダーになっていくカルロス
ハダドが病気がちになった頃から
カルロスに接近という裏切りを見せるアリ
最終的にそういう人はまた裏切る
実在するマグダレーナとは何のアイコンだったのか
「私は戦士になりたい」と叫んでいた
結局「子供」「家庭」に向かっていった
大義とは何なのか???
自爆テロのような道を選んだボニとアントン
仲間に罵られても生きる道を選び、英雄になり、そして
「大義」というオーラが消えていくカルロス
ベルリンの壁が壊れた
その流れは何だったのか どこから起こったのか
革命ではない何が突然その大きな流れをもたらしたのか
(彼らが感じただろう「もう不要な存在だ」という衝撃
それは今後ちゃんと歴史を見て調べたいと思った)
女と酒は人を滅ぼすのかな
第三部は「もう強がるのやめようよ!泣」と
情けなくてカルロスを直視できなくなっていく。
カルロス「アメリカが僕を恐れている」
ヨハネス「そろそろ現実を見ろよ!
僕らなんてすぐ殺せる存在なんだよ!」
アイコンと化して、
それも利用価値の無いアイコンと化して、
周囲に流されるがまま、各地を流れていき
最後はフランス政府に収容されるカルロス
(現実世界でも、今刑務所におり、裁判中です)
この映画では全く「革命とは何なのか」は分からない。
ただ錯綜する人々がいた。
そして、私や周りの誰かに似た人もいた気がする。
アンジーのまともな瞳が映る時間だけが
救いだったような気がする、そんな映画。
「シオニズムは嫌いだが
ユダヤ人が嫌いなわけではない!」
「こんなやり方まちがっている!」
革命に参加し、最終的に世間から隠れ自分の生を歩むアンジー
たくさん出てくる魅力ある女性陣の中では
二ディア(昔からの女友達)が一番好きだな。
マグダレーナのあの変な(イッチャッテル風の)強い視線の
演技は真似したい気もするが(●▽●)実際にしてみたが
演技といえば何より、太った情けないカルロス
若く精悍なエネルギー溢れるカルロス
落ち着いたリーダー格であるカルロス
すべてを魅力的に演じたラミレス氏、素晴らしい!
1977年生まれの俳優とは!
それ以外にも、多国語を操る(学ぶ)強みも感じ
海外の映画に、活動家として描かれる日本人が現れると
日本赤軍が「本当にグローバルな活動」をしていたのだと
改めてそう深く実感………もありました。中東と日本。
そして何より皆タバコを大量かつスマートに吸っており
(本当に毎場面、タバコが登場)見終えた後は
「一服するか……」という気分になるやもしれません。
(そういう時代だったのかな。時代の変遷よ……)
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