とあるシンポジウムの備忘録:大学の存在意義とは??


2013年春。平日お昼間。某T大のK場にて開催されたシンポジウム。
色々思い巡らせられる点あり――今さらですが「備忘録」です。
自分の思ったコメント★も素直なところを記載しつつ。
ケンカ腰に見えそうなコメントもありそうですが(ドキドキ)
全体として「色々思い巡らすこと出来、良かった」です。
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~「第3の文化」を1960~70年に提示したC.P.Snow。
 「2つの文化」の現代版として今なお激しく進行する理系と文系の溝、
 「2つの文化」をどうするべきか、組織運営論ではなくて、
 本質的に学部から大学院に渡る学際教育は可能なのか、
 それをささえる研究領域はどういう状況にあるのか、
 大学の存在意義とは??~
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■鈴木健さん
 ★風邪気味でノッソノッソと遅れて向かったらば
  楽しみにしていた鈴木健さんのトーク聞けず。orz

■森田さん
・「学ぶことは楽しい」という気持ちが重要。
・例えば数学が学びたい時に、すぐ学べる場がないのは何故?
・場は「議論できる相手」「プレッシャー」を提供してくれる。
・大学という形でなくても良い。
 (京都での高校生や社会人向け私塾の事例を紹介)

■池上さん(複雑系と人工生命)
・大学にいる理由は「生活のお金」が1番。
 ★普通は言いにくいところの素直な言葉で「そうか」なのだが
  最後・質疑応答の「育成目標」の話につながるかもしれない。
・文系を嫌いな理系人間が増えている。
 鍵は向こうで落としたのに、暗いところ(文系)を探さない。
 こっちが明るいからと、明るいところを探す(理系)。

 ★ここの説明と動作、すごく分かりやすくて笑えました。
  (会場内にも笑い)後半・開さん「テーマと方法」も同内容。

■小林さん(仏語)
・激動の時代だが多くの学校関係者は鈍感で改革は進まない。
大学の存在意義とは!?
 (1)世界中どこでもパッとつながり問題共有して
   (上下関係や組織文化に阻まれず)議論できる点。
   「企業では出来ない」「従来どおりのお寺でも出来ない」
 (2)収支(金銭的な利益追求)のない場所。
 ★後半のディスカッションにも続く、重要な部分ですね!!
・シェークスピアの原典は誰にも読めない(自然言語→主体の問題)
・根源的には二分法(光と影)(何につながる話だったか失念……)
・理系でも(遺伝子/オートポエーシス/アフォーダンス)
 文系でも(構造主義→脱構造)決定不可能性(複雑系)
・不変性を求めた「学」が、主体による「論」へ。
・17世紀は理性の時代(デカルト等)と呼ばれたが、
 21世紀は再度「知性=インテリジェンスの時代」だと思う。
・仏「コレージュ・ド・フランス」で勝手に講義した/できる

■岡ノ谷さん(生物心理学/文系→理系)
・死が怖い。人生で旋律(戦慄)を感じたタイミングの紹介
 →言語と感情の起源を探求(生物学的に)
 →生身で触れ合う部分が重要。憧れ=セクシャリティ
・学振/インパクトファクター「論文3つ適当にあげて」的な制度が
 問題。ある学振の目標「ネイチャーに論文出したい」……
 「ちっ違うでしょ!!!」 (笑)
暇でないとダメ(今、教授たちは会議等で忙殺されすぎ)。
・20年ほど閉じ込もった末に「出来ました」みたいな人が必要。
 ★ユーモア感じるトーク、お話してみたくなった。
  研究に閉じこもる部分と生身の部分の割合とは。

■清水さん(フェミニズム)
・生徒前提の思考を!
・どの学問も誰/何にとって損得あるか考えるべき。それを共有。
歴史的な責任や政治性(同じ場にいる人との関わり方)の欠落。
 具体的な手法や作業がない。
・大学院生が講師をする公開講座の紹介。

■開さん(乳児研究)
・登場してすぐ「今日は情報学科主催でいいんだっけ?」
 ★えっ。「理系と文系の溝」について話し合うシンポジウムで
  「どの科が主催」細かい溝を感じる発言が飛び出るなんて
  トーク開始でドン引きの私   いや、いや、もしかしたら
  わざと、あえて、「トーク開始で心を掴む」定型手法に
  挑戦という大きな実験をされているのかもしれないし
・私とは? 気持ちとは? →乳児研究の紹介
・文系は理系の「方法」を、理系は文系の「テーマ」を。
 ※後日。開さんの研究室で「赤ちゃんの調査協力・募集」
  これは私の野望をご相談したい研究室なのでは……

■ディスカッション(茂木さんも登場)
・日本では「先生ホモじゃないよ」等、気軽な発言がひどい。
 ★えっ。じゃあ「先生ヘテロじゃないよ」は?
  「先生ホモだよ」は? 「先生は女好き」は?
  「先生は男である」は? 「先生キリンじゃないよ」は?
  「私は●●ではない/●●である」という事実告白に対して
  「差別を感じる」というのは、その人々が「●●」に対して
  蔑視の心があるから「差別だな」と思うだけでは???
  「先生キリンじゃないよ」→発言ひどい! ってなるか?
  「先生は日本人で米国人じゃないよ」→発言ひどい???
大学の存在意義とは!?
 ……学びの場×→私塾等がある!
 ……研究の場×→外に研究所つくれば良い!
 ……多様性の受け入れの場ではないか?→その方向かも◎
 ★という結論になっていたが、私は↑この◎、疑問である。
  最後・質疑応答にて、更に疑問符が増えるのだった。
まもなく日本の大学は潰れていく(教授は世代によって逃げ切る)。
 新しい大学の在り方とは? 東大が見本を見せなくては!
・現在、日本の大学には輸入された学問ばかり(法学部、数学)。
 →(内容を)自己否定できない。
・削り取って残ったものに対して自己否定。自ら殺して生まれ変わる。
 ★仏教の「すべてを疑う」を感じました。当時、別の場でも
  「自己否定→再構築」な発言を聞き。流れでしょうか。
・手に職が欲しい学生=東大は安上がりな公務員増やす。経営戦略。
・(停止、差違と反復、同時出現)そしてクラス4。
 カオスだが秩序(パターン)も見える。と、研究一部発表。
・文理:フレーゲ(不確定失敗)→ウィトゲン。独我。(何だっけ……)
・世界の再魔術化。(何だったっけ……)
お互いの仮想敵でも良いか?(何だったっけ……)
悟りがあると学びはいらない。(何だったっけ……)
・塩谷けんのような人の居場所が必要。ロマンティック・アイロニー。
 ★い、い、居場所ですって。ポチーン。
  そんなアイロニー、私大いやネットカフェでヤッテクレ!
  公的資金の入った大学で「居場所」やるんじゃねぇぇぇーーー
  そもそも大学とケンカするぐらいの人材が必要なのではないの?
  ねぇねぇそんなこと仰ってませんでした???
・ハーバード等、海外の著名大学と東大の教授の質が違い過ぎる。
 個々は能力高いのに、全体として見ると。。。
国家としての戦略が必要。
・総長の目標「タフでグローバルな人材」、まず横文字やめようよ。
 ★よくありがちな細かいコメント(横文字否定)が出てきましたが
  問題はそういう細かいところではないのでしょう。
・キラキラ目立つ夢を語るTedのような裏に消えるものがある感覚。
 ★これはすごく分かる気がします。キラキラ怖い。
  キラキラの中で皆を同じ流れ(オーラ?)に流そうとしている、
  洗脳的な何かを感じるような。決して「多様性の受け入れ」を
  感じない場所、「根暗な研究者ステキ」の場所ではない的な。
  (リア充カモン的な場所というか)ネズミ講に近い匂いというか
  消えるものとは何か、「キレイリア充」な逆側の何か……

■そして、最後に用意された質疑応答タイム。
 私も手を挙げさせていただきました。


「私は大学を出ていませんが、本日はありがとうございます。
 大学の雰囲気も少し味わえて内容も大変面白かったです」

「昔の大学は富国強兵や産業振興を目標/使命として
 学生を育てていたということですが、今、
 皆さんそれぞれは、どういう人に育てたいですか?

来た!
本日のメイン・ディッシュ質問!!!
(橋本の中で)←そりゃ自分で質問しといて……

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■どういう人に育てたいか?
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・回答1「(私はまだ若手なので答えられる立場でない)」
 ★えー! 上の立場でないと育てたい人物像も話せないの!
  何故「先生」、「先生」職とは一体何! 上下関係こわい!
・回答2「面白い人」
 ★唯一自分の答えを提示してくれた方。ニコニコ。
  (はしもと好反応、どの方の答えか分かってしまうかな笑)
  「面白いの基準は?」更にお聞きしたかった気も。
・回答3「特にない」
 ★ぶわっ(涙) ぐすっぐすぅ 何故「先生」(略
・回答4「育成目標がなくても良いと思う」
 ★あっ! なくて良いんだ! ……えっっっ。
  ええっ? 「場作り」の元々の目的は???
  目標/ゴールもないのに「育成」「育成の場」って必要なの?

な、な、なるほど。
登壇者(教授=先生)のうち「育成目標」について
答えてくださったのは、たった1名。
私はそこが「ひとつ目の改善箇所」に思いました。

学校は、「こう育って欲しい」「こういう人が必要」という
目標の下、そこに向けて必要な「学」を与える場所では……?

(認識が違ったらすみません)
目標のない「学校」とは何でしょう。「学校の使命」とは何。
今の私は部外者ですが、そもそもの「育成目標」、
もっと内部で議論し合い共有
したほうが良いのではと思いました。

ふたつ目に思ったこと。
最初に「私は大学を出ていない」と敢えて言ったのは
わざとらしい呼び水だったのですが
(やらしくてスミマセンー)
案の定「大学を出ていないと分からない」とのコメント。
上記コメントに肯く皆(教授以外も全員首肯です)。
ほーほー。ニヤニヤ。内心ニヤニヤ梟のヤラシイ橋本さん。

つまり、登壇されている皆さん、心の奥底では
前提で「大学」必要だと思っちゃっている。
先ほどの「大学という形でなくても良い」の言葉や
「大学必要か?」とか、一体何だったのでしょう。

えっと、空理空論? とらぬ狸の皮算用?
「自分は大学出た」上から目線による発言系?
大学という形ではない学びの場を用意し、そこの卒業生に
「大学出てないと分からないよね」とか言っちゃう系?

また、東大生でないと分かるや軽い対応姿勢になった方がおり
「ふーん。それなら内輪メンバーで飲み屋でやれば良いのにね、
 これまた先ほどの【大学は多様性の受け入れの場だおね】
 という話はどこに行きましたっけ?
 ふーんなるほどのぉ」
 などと、内心思っていたのでした。

そのあたり全般が「ふたつ目の改善箇所」と思いました。
=「破壊と改革」は内からは生まれないのかなーーー。
  とも思ったり。(よく言われる話ですが)

以上、出来る限り素直なコメント(黒い部分も)書き残しておきまする。
と言いつつ「あ、これはちょっとやらし過ぎた」等、直しているかも??

しかし「教育」「学校」とても興味あるテーマであり、大変面白く
頭の刺激になったことは確かです。大学(教育)の改革……

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