60歳ごろのIさん写真は、以前、若い頃や昔の街の写真を持ってきてくれたものを、「わ~!新鮮!スマホで撮ってもいい!?」と聞いて、撮っておいたものの中から。
コロナ緊急事態宣言1回目の直前に移住、しばし引きこもりだな。
そう思っていた私の家に「お茶のみにいこーーー!」 突然ピンポンやってきたIさん。
それから何度も、Iさんは「いいとこ連れてったるわ!」と言いながら、車に乗りこんだ。
「連れてったるわ!」
私の運転&Iさんのナビで、あちこちのいいとこ(モーニングやスイーツのお店やお得なイベントや)へ、一緒にお出かけした。
これまでの仕事、家族のこと、まちの変化、色々話しながら。
Iさんは若くしてお見合い結婚。「昔の口減らしだわ」
嫁ぎ先にはお姑さんだけでなく義理の兄弟姉妹という、いわゆる小姑さんもたくさんだったそう。「そんなに年も変わらない義理の家族のために家事して仕事して、大変だった」「つらすぎて一度だけ家出して、駅で実家から迎えがきてくれないかと待ったけど、来んわな」
決して楽ではなさそうな若き頃、それでも、いつも笑顔で活発で人と触れ合うのが好きそうなIさん。
「『Iさんはいつもニコニコ元気で悩みなさそうね~!』って言われるけど、色々あるわなぁ」
小学生の帰宅時刻に合わせて散歩をしていたIさん。
「おかえりー!」と子どもたちに声がけするために。うちの子たちには時々さらなるサービス「いっちゃんヤクルトあげよかー」「お菓子あげよ」
ある日、一緒にモーニング中
Iさん「アンタ仏教とか好きやろ? 昔お気に入りで着てたTシャツあげるわ、もう着る機会もないしな」
私「へー仏教のTシャツ……(仏像かな?)欲しいかも!」
Iさん「あとで持ってくわぁ」
Iさん「ほい、持ってきたよ」
私「(なるほど)(そうきたか)」
なるほど……
私「(これはヒンズーだ)」
しばらくして、「おはよ〜!悪友が呼びに来たよ〜」と登場するようになったIさん。
Iさんは配偶者に友人との外出を否定されており、Iさんと同年代の友人たちも見つからないようコッソリ迎えにきている。私も「秘密」と念を押され、それに頷いたことで、「悪友」に昇格したと思われる。
もうしばらくすると、外出して戻るたび、玄関に段ボール箱が積まれているようになる。
そういえばIさん、「そろそろ貯めこんだ服や小物を整理しないと、配偶者に怒られるし死ねないわー」と笑っていたが、本格的に断捨離を始めたようだな……
いくつかの段ボール箱をあけると
「ほう……」
「断捨離が進むたび、着こなし難易度が上がってきているようだな……」
「全面的に光っている」
「そうか、なぜおばちゃんたちはこういう服装するのかと思っていたけど、こうした譲与によって伝統が引き継がれていたんだな!!???(たぶん違う)」
いろいろな衝撃をくれる段ボール箱の中身、さらには
「Iさん!!! シヴァとガネーシャのTシャツ、2枚買いしてたんかい……!!!」
などの気づきまで得られた。
ヒンズー系Tシャツは、以前タイ旅行したとき買いまくったとのことだが、まさかの「2枚買い」習性、ますます大好きにならざるを得ないな……👍と思う。
Iさんは、こういった服を「柄ON柄」「カラーONカラー」で着こなす。
なんなら、さらにマスクもギラギラだ。
いただいた服を色々コーディネートして一緒に出かけるたび、「ついシンプルに着ようとする私と、重ねまくりの上級者先輩」をシミジミ感じてしまうほどに。(もっと2ショット撮ればよかった……😿)
数年前に自損事故をして運転をキッパリやめたというIさん、送迎を頼まれることもあった。
Iさんの旧い友人宅にお土産を届けに行ったり、親族の家に送ったり(私も一緒にシソを摘んだり食品いただいたり)
その前後で「お茶ごちそうするわ」「買い物お礼に払う」などあり、いいよ~!と断っても、そっと後から押しこまれた。
運転免許証の返納も、一緒に行った。
「そのまま持っててもいいって言われるけど、返したほうがスッキリするやろ」 ……ところが、返納窓口の対応が最低に悪くて、「なんじゃあの対応」「返す人ふやしたくないんかな!?」一緒に悪態をつきながら帰ってくる。
話好きで突撃型なIさんは敵もつくりそうだけど(※人のこと言えない)、大事な友人もたくさんいるようだった。「昔、友人の選挙の応援活動もしたよ」
数日、いや数週? Iさんを見かけないことがあった。
「足が痛いと言ってたけど、それにしても散歩ゼロなの珍しいな……」 ついに門をくぐり聞いてみたら「心臓手術のため入院中」と判明。お見舞いのお手紙をかき、機会あれば渡してほしいと配偶者さんに委ねる。
1週間ほどして「手紙ありがとねー!元気になったわー」と訪ねてきたIさん。
「心臓手術したから、障害手帳もらってデイサービス通い始めたわ」「新しい体験や出会いが楽しいわー」と笑顔。そして「ちょっとパン屋つれてって!」
実は少し前に、別の友人おばあちゃん(この方もとてもとても大事な存在)から、「またIさんにお出かけ誘われても、心臓手術した高齢者、断ったほうがお互いに安全」とアドバイスもらったのだが……
パン屋に向かってしまう私。(アドバイスも有り難い優しさと強さ、感謝ばかりなんです、でも当時も「私にとってIさん大事だからお誘いあれば叶えてしまうかも」と呟く、強情な私……)
訪ねたパン屋で支払おうとしたIさんを押しとどめ「手術成功と退院祝いだから私が払うよー」
また色々話していると、Iさんの通う施設に、私とIさん共通の知り合い?がいると判明。後日、「よろしく伝えてと言われたよ。『●●ちゃんは私の友達、優しい子だから心配しなくて大丈夫』て言っといたからね」
その後もデイサービスの車に乗りこむIさんを数回みかけ、夏休みとコロナ何度目かの宣言に突入した。
「●●ちゃんたち、こんなの履くかな?」 ある日の夕方、Iさんがフラッと草履や下駄を持ってきた。
「うーん、どうかな?でもIさんが使わないならもらっとく~ありがとう!」 宣言中だからか、珍しく届けただけで帰っていくIさん。
断捨離は続いていたのか、と背中を見送って、また数日が経過して。
「あれ? Iさんの派手な服が干されているのを見かけないような……」
ちょうど、3日前から気になっていたところだった。
ちょうど、花と「みんな元気で長生きしてほしいねぇ」と話していたところだった。
今日の夕方、👆上記で真摯なアドバイスくれた大事な友人@おばあちゃんが「お惣菜つくったけどいる?」 それから「昨日Iさん、亡くなったよ」と教えてくれた。
肺炎になって入院していたらしい。
あぁ、やっぱり。と思った。すぐに突撃すればよかった、いや、突撃しても病院だったから会えなかったね、まだ、会えると思っていたのに。
コロナ対策でごく身近な家族葬らしい。私の祖母もそうだった。それでも祖母はオンラインで葬儀を見られ、親族で悲しみを共有でき、お別れと向き合えた。
Iさんとは決して長い付き合いではない。そして未だ実感がわいていないけれど、事実としてとてもショックなのは間違いなく、実感とお別れに向き合うため、このブログを書いています。
Iさん、声をかけてくれて、元気をくれてありがとう。
「アンタが相手してくれて嬉しいわー」と言ってくれて、ありがとう。
色々な話をありがとう。
きっとIさんが思う以上に、私にとってIさんは感謝MAXな大事な存在でした。
ときどき「今日は無理―!やること多くて出かけられない」断ってごめんね。
偶然、銭湯や寿司屋など外出先でバッタリしたのも面白かったね。
手術無事で良かった、まだまだ元気で会えるね、と思っていたのに……
ご冥福をお祈りします。
私も、Iさんみたいに、いつか若い親子にも気軽に話しかけてお茶に誘って「悪友きたよ~」て登場できるように、なれたらいいな。きっと、なるよ。
もらった服も、柄ON柄のカラーONカラーで……いや、それは無理かな!!???
Iさん、ご冥福をお祈りします。出会いに心から感謝を。
私が実感とお別れに向き合うため、それからミーム(meme)のために、記しておきます。
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